Q027.葉山の蓮様のお見合い相手の嘉納伝助はどんな人?
成金です。
嘉納伝助さん。劇中のお見合いでは方言が気になってしゃべれなかったというかわいいところを持っています。
モデルとなった伊藤伝右衛門さんは父が開いた炭鉱の経営を苦労の末に軌道に乗せた苦労人です。銀行の取締役や衆議院議員と経験。その後、複数の炭鉱を経営するようになり、炭鉱王と呼ばれます。
地元では働き口を作ってくれる英雄でしょう。国会議員になったってことは国から予算を分捕ってきているはずです。*1
地元では偉人として教科書に載ってしまうような人物だと思われます。
城山三郎の小説のタイトルであり、男塾塾長江田島平八の言葉ですが「野にして粗だが卑ではない」が似合うタイプが私の印象です。
つっぱしてきた人生で妻に先立たれます。その後、漣子とお見合いします。中央とのパイプの強化も狙いの一つだったと思いますが、さみしかったのでしょう。
結婚後、事業を拡大し美術品を収集して銅で屋根を葺いた豪勢な「銅御殿」を作ったりしました。
裸一貫で這い上がってきた嘉納伝助は私のような庶民にとっては尊敬に値します。しかし生まれもっての華族である漣子にとっては文化や歌を愛でる気持ちのない下郎にしか見えないでしょう。
しかし漣子に余裕のある生活を提供したのも確かです。漣子は歌の世界で女王で呼ばれるほどの活躍を見せます。
結婚して10年したころ、事業がうまくいかなくなります。事故、ストライキ、恐慌。さらに漣子に思い人ができて駆け落ちします。
ドラマの中では漣子の視点で駆け落ちが仕方がないように作り、奔放さを快活に表現されると思いますが、よく見てみると嘉納伝助がかわいそう過ぎるという展開になるかもしれません。